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【読書のすゝめ】フィクションを超えた現実味のある隊員の奮闘を描いた『ゼロの迎撃』を読んだよ!!

読書のすゝめ
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この本は、2015年発行の少し古い小説ですけど、古本屋に寄ったら偶然見つけたので、今回紹介します。

 

著者について

安生正(Tadashi Anjo)

1958年生まれ。京都府京都市出身、東京都在住。

京都大学大学院工学研究科卒。第11回『このミス』大賞を受賞し、『生存者ゼロ』(宝島社)にて2013年デビュー。

現在は、建設会社勤務。

『ゼロの迎撃』について

本書は、壮大なスケールで未知の恐怖との闘いを描いた『生存者ゼロ』で『このミス』大賞受賞した安生正の第2作、『ゼロの迎撃』を文庫化したもの。

物語は、大型台風が接近する紀伊半島沖、朝鮮人民軍の特殊旅団参謀長ハン・ヨンソル大佐が乗り込む200トンの貨物船に幕を開けます。

自衛隊情報本部の三等陸佐、情報分析官の真下俊彦は、妻のガン手術直前に、自衛隊中央病院で緊急の呼び出しメールを受けます。

「大至急、市ヶ谷に出頭せよ。」

そこで、伊勢湾台風にも匹敵する巨大台風が首都に近づく中、日本を震撼させる未曾有のテロ攻撃が開始された。

主要官庁のホームページに書き込まれた「東京を壊滅させる」という謎の犯行声明を端緒に、都内で爆発事故が相次ぎ、100名超の死傷者が出てしまう。官邸の地下にある危機管理センターで急遽、国家安全保障会議が招集されるが、真下はそこで、日本国が抱える最大の弱点に直面。確固たる有事法制が整っていないため、法的解釈と原則論に議論が終始し、決断を下せないでいたのだ。

が、会議の会議の最中、テロ組織と警官隊の銃撃戦が始まり、警察側に甚大な被害が出る。最新鋭の重火器で武装したハン大佐率いるテロ集団によって、特殊急襲部隊SAT隊員が全滅。

慎重に成り行きを見守っていた首相は、ここにきてようやく、自衛隊法第七十九条による治安出動待機命令を発動。

「この国には真の平和を愛するがゆえに理不尽な侵略に対いて気高き楯となる鉄の集団が存在する。自衛隊全部隊の最高指揮監督権者として、私は最後まで諸君とともに行動する。」

だが、東京ヘリポートへ移動を開始した特殊作戦群は、ハン大佐の仕掛けた罠に嵌り、殲滅されてしまう。しかしこれは、ほんの序章に過ぎなかった。本当の地獄は、ここから始まるのだ。

感想

「日本の安全保障体制、テロ対策、台風と地震との複合大災害対策など、その脆弱性とやるげきことを浮き彫りにしているが、描写は、国家安全保障、行政、土木工学、技術などかなり専門的で詳しい」

太田昭宏国土交通大臣

 

「自衛隊全部隊に向けた首相の決意に満ちたメッセージ、刻々と展開する彼らの戦いぶりは圧巻。中韓の脅威、核、日米安保など、日本の安全保障を取り巻く状況に照らし、安穏としていられなくなる」

 

この物語で、注目すべきは、朝鮮人民軍の精鋭を率いるハンの作戦計画。日本政府は、原発へのテロ攻撃や自爆テロは懸念していても、重武装の精鋭部隊による市街戦は想定していない。想定外の事態が出来すれば、日本国政府の対応は遅れ、首都は混乱を極める。

在日内通者のネットワークを使い、ネットやマスコミを扇動、合わせて都内各所で爆発、停電を引き起こすことにより、都民を不安のどん底に突き落とす。この天才的戦術を駆使し、ハンは一個中隊の部隊で首都を壊滅させる作戦を立てていた。

一方の真下は、防衛大学校は首席で卒業した幹部。情報分析においては彼の右に出るものがいない。謎のテロリストの正体を解析し、ハンの真の狙いと、背後にいる中国人民解放軍の存在を突き止めていく。

凄絶な殺戮戦のなか、敵対する2人の軍人の、息詰まる頭脳戦が展開されるのです。

また、ハンの背後で蠢く中国の真の狙いがわかる終章は、驚嘆すべきラストと言っても過言ではない。予測もできず、期待も満たされて終息する。見事なオチ。続編をぜひとも希望したいところ。

まとめ

本書は読み始めたら止まらない。第1級のメンターテイメントです。

どうか存分に、堪能してください。

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